Guide で Gaia DR2 を表示2018年05月12日

星図ソフト Guide のユーザーML(英語)で興味深い情報が提供されました。
Gaia宇宙望遠鏡の観測した恒星カタログの2ndリリースデータ(Gaia DR2)をGuideで表示させるというのです!

この方法は、別の星図ソフト Cartes du Ciel (フランス語で ”天の地図”)が拡張機能としている、今表示しているエリアの恒星カタログデータをVisarというサイトからダウンロードして表示する、というものでした。

  Cartes du Ciel のスクリーンショット(M13 with GAIA DR1)

Guideには元々、今表示しているエリアの DSS や A1.0 や B2.0 などのデータをダウンロードして表示させるという機能がありました。これらは既存のメニューにあるのですが、拡張機能として、ツールボタンの機能を書き替えることで実現できました。

この機能をGuideに追加して、起動!
ン? 恒星が増えた?

  Guide で M13 周辺を表示。恒星はUCAC3まで。

  Guide で M13 周辺を表示。恒星はUCAC3 + Gaia DR2

球状星団M13の周囲でダウンロード&表示させてみたのですが、M13の近くはデータ量が多かったのか表示できませんでした。

  M81銀河の周辺で Gaia DR2 を表示。
  M81銀河の恒星もカタログにあることが分る。

  おうし座γ周辺を何度もダウンロードして表示

どうも Guide で Gaia DR2 の恒星データが、今表示しているエリアとズレるようです。
後で気付いたのですが、Gaiaの恒星データの分点が2015年だったのでした。

とりあえず、すごい機能が使えるようにはなったのですが、私に必要かというと、う~~~ん (^^ゞ

北朝鮮の人工衛星2016年02月08日

2月7日の朝9時31分頃、北朝鮮が人工衛星と称するミサイルを打ち上げ、アメリカ NORAD が衛星軌道に乗ったと発表しました。



以前、中国が初の有人衛星「神舟」を打ち上げたときは、すぐに軌道の高度が発表されたので、自分で軌道を想定計算し、撮影に成功したことがありました。しかし今回は、軌道については何の情報もありません。

NORADが発表ということなので、Space-Track.org の提供する軌道要素に載っていないか調べてみると、最終行の方に、軌道傾斜角が97°の衛星が2つありました。たぶんコレと当りを付けて、Guide9で表示させてみました。ちなみに軌道要素は次の通り。
0 TBA - TO BE ASSIGNED
1 41332U 16009A 16038.21829896 -.00000079 00000-0 00000+0 0 9998
2 41332 97.5278 86.6115 0026697 338.3404 145.2384 15.27435642 23
0 TBA - TO BE ASSIGNED
1 41333U 16009B 16038.19518981 -.00000088 00000-0 00000+0 0 9996
2 41333 97.5341 86.5830 0050384 335.5662 24.3144 15.32861013 25

日時を打ち上げ直後に設定し、視点を東南アジア上空にして地球を見ると、たくさんの人工衛星が表示されます。そしてアニメーション機能で時刻を進めると、北朝鮮が発表していたコースを飛行する衛星発見。確かに目を付けた衛星でした。

衛星が判明したので、日本から見られる予報をGuide9で計算させてみましたが、日没後の地球の影の中だったり、日の出後の明るい空だったりで、当分見ることはできないようです。

その後のアメリカからの情報では、人工衛星としては小さいとのこと。ということはつまり、相当に暗いということ。見られる時期になったら、高感度で撮影できればイイな。

はやぶさ2の位置をGuide9で表示2015年11月24日

FBでは、12月3日の小惑星探査機はやぶさ2のスイングバイをどうやって撮影観測するかを、熱心な天文台や科学館の職員の方がいろいろ計画中。

アストロアーツでは、ステラナビゲータver.10で表示できる機能を追加(10月30日)。ただし軌跡を表示させる機能のリストに探査機が無かったので、追加天体データ(adfファイル)を手入力で作成。

はやぶさ2の推算位置は、JPL HORIZONSでも表示してくれるので、そちらで作成した位置もadfファイルにして、表示させてみました。
ステラナビ10での位置と若干のズレがあります。正確なのは、JAXAのデータを使ったステラナビの方。


Guideの星図にも表示させたいところですが、Guideでは、惑星や人工衛星など軌道要素のある天体の軌跡は表示する機能がありますが、手入力の位置座標から軌跡表示させる機能はありません。バイナリデータのuovファイルを作る必要があります。

Guide用のuovファイルは、2000年頃に日本風星座絵などのファイルを作ったのですが、その時使ったエクセルファイルはどこへいったのやら。また、そのエクセルVBAプログラムを作る際に参考にしたドキュメントファイルもどこへいったのやら。

projectplutoのサイトにあるドキュメントファイルを全部ダウンロードして探してみたのですが、ありません。やむなく、作者のBill Gray氏にメールで問い合わせ。すると、その日のうちにBillから返事があり、テキストファイルが添付されていました。Bill氏も、そのドキュメントのことをすっかり忘れていたとかで、そのうちにprojectplutoのサイトにアップするとか。

送ってもらったドキュメントを参考に、残っているエクセルファイルで、とりあえず軌跡の連続線を表示させるuovファイルを作成。位置データはステラナビ10で推算させたもの。あとコレに、時刻ごとの位置マークと、時刻文字が表示できればイイのですが。


「星のソムリエ講座」@八戸2015年05月31日

昨日、5月30日に、八戸市児童科学館で「星のソムリエ講座」が、秘密裏に、始まりました(^^;

「秘密裏」というのは、「星空案内人制度」は全国共通制度なので、全国での講座開催状況を知らせるサイトがあるのですが、そちらでは全く告知せずに、自館での紹介だけで募集・開催していたことです。館の担当者に理由を聞くと、「あまり多く参加されても困る」のだとか。今年の受講生は20名とのこと。担当者によると、これぐらいの人数が良いのだとか・・・ まぁ、講座の担当者の意向ですから、私がとやかく言うことではないのですが(-_-

今年の受講者で男性が5名ほど。女性、というか、女子の比率が多いです。今はやりの「宙ガール」効果でしょうか? シャツに☆マークの方が3名、スカートが星座柄な方もいました。もしかしたら今年は、結構 星に詳しい方の参加が多いかもしれません o(^-^)o

第1回は、講座の説明と、「さあ、はじめよう」で、18:30~21:00。講師は館のにっTさん。

昨年も この科目はにっTさんが講師を担当されていました。講義用スライドは去年のものにさらに手が加えられていたようでしたが、内容は・・・

おおざっぱな印象ですが、「星空案内人(星のソムリエ)講座」は、星について楽しく学んで、その楽しさを他の人に伝える喜びを体験する、というものなのですが、講師が講義で楽しく伝えている感じはなかったですねぇ。そもそも、「あまり楽しくない内容」とか言って講義を始めてましたし。

八戸の講座は、受講生で星空案内人の資格を取った方が講師を担うような体制になっていて、それはすばらしいことだと思いますが、講師の方には、講義する内容を「学ぶことが楽しいんだよ」と伝えるようにやって欲しいなぁ、と思いました。

今年は他にも新しい講師の方が立たれるそうです。それぞれに、楽しくなるような講義を期待したいところです。

八戸市児童科学館の、「星のソムリエ」講座の日程
 5月30日 さあ、はじめよう
 6月 6日 星座を見つけよう
 6月20日 望遠鏡のしくみ
 7月 4~25日 望遠鏡を使ってみよう
 8月29日 宇宙はどんな世界
 9月 5日 星空の文化親しむ
 9月19日 星空案内の実際
11月21日 閉講式・星のソムリエ認定式

木星表面に、珍しくも、3衛星の影2015年01月22日

アメリカの天文月刊誌『スカイ&テレスコープ』のサイトの天文ニュースから。

木星の表面に4大衛星の影が落ちるのはよくあることですが、複数の衛星の影が同時に落ちるのは珍しいものです。
中でも珍しい、3衛星の影が木星面に落ちる現象が、1月24日(世界時)に起ります。

前回は2013年10月12日(世界時)に起りました。
  カリスト、イオ、エウロパの影が落ちている木星

今回は、2015年1月24日15:40(日本時)に起ります。残念ながら日本からは見られません。

木星面に3衛星の影が落ちる現象については、1979年に Journal of the British Astronomical Association Vol.90 に、1900~2100年にリストが掲載されました。BAAのサイトでは会報がWebで閲覧することが出来るのですが、1995年以降だけなので、確認できませんでした。残念。

この記事を受けて、Jean Meeus氏が最新の計算式で計算した結果を Mathematical Astronomy Morsels に載せています。それによると、2000年以降は次のようになっています。
 2004 Mar.28  8:10(DT)
 2013 Oct.12  5:05
 2014 Jun. 3 18:57
 2015 Jan.24  6:41
 2032 Mar.20 12:00
 2032 Dec.30 10:29
 2038 Aug. 5 17:46
 2045 Jan. 5 17:29
 2045 Oct.17 15:57
このように、とても珍しい現象であることが分かります。次回は17年後なんですね。
 2032年3月20日の現象。イオ・ガニメデ・カリストの影が落ちている。(Guide9.0)
 木星はやぎ座にいて、日本からは地平線下。

Meeus氏は、この現象の周期も明らかにしています。この現象は、17507.46日(48年マイナス24.5日)だそうです。いずれにしても、珍しい現象です。

ハッブル望遠鏡が撮った木星の目2014年10月31日

天文ニュースで、ハッブル宇宙望遠鏡が、木星の大赤斑の上に衛星ガニメデの影が落ちていて、まるで木星の目のように見える画像が公開されたことが報じられていました。


こういう天文現象が起こると、すぐに天文シミュレーションソフトで再現したくなります。
ニュースでは、撮影日が2014年4月21日(アメリカ時間)であることしか報じられていませんでした。そこで、いつもの GUIDE を起動して、アニメーション機能を使ってその現象を再現してみました。その結果、4月22日4:45(JST)辺りであったことが分かりました。
GUIDEは高精度を謳っている天文ソフトなので、ほぼ再現できたのですが、私としては、「ほぼ」というのが気になりました。GUIDEではガニメデの影が大赤斑のほぼ中央に来ていないんですね。

木星の表面模様は、時期によって異なります。GUIDEは、デフォルトでは、ヴォィジャーの画像から作成されたマップが貼られています。そこで、最新ではないですが、ハッブル宇宙望遠鏡の画像によるマップに切り替えたところ、おぉ! ガニメデの影が大赤斑の中央に来ました!!

他に、精度の高い天文シミュレーションのフリーソフトのステラリウムでも再現してみました。
すると、ガニメデの影は4月22日3:30頃に木星子午線近くに来ますが、大赤斑がすでに子午線を過ぎています。どうやら、木星表面のマップが少しずれているようです。

こういう、精密計算を要する天文現象をシミュレーションソフトで再現するのは おもしろいものです。
また、GUIDEが高精度ソフトであることを、改めて確認できましたv(^-^)

恒星カタログ2014年06月16日

知人から、恒星データ UCAC4 の DVD のコピーをいただきました。
天文ソフト GUIDE で表示することのできる、最新の恒星カタログです。

GUIDEのような「星図ソフト」では、いろいろな恒星カタログを選んで使うことが出来ます。
下の画像は、Hallo northern sky という星図ソフトのサイトからの星図サンプル。
左上は散開星団M6の、GSC-ACTカタログのみ。
右上は、GSC-ACT + UCAC2。
左下は、USNO A2 カタログ。

GSC (ガイドスターカタログ)は、ハッブル宇宙望遠鏡のガイド撮影用に作られた、ほぼ16等星まで載っている膨大な恒星カタログ。暗い星まで載っていますが、位置も光度も精度があまり良くありませんでした。
GSC の恒星位置を、位置精度の高い ACT カタログを使って補正したのが GSC-ACT。位置精度は若干良くなったものの、光度の誤差は大きいままでした。

USNO A2.0 カタログは、アメリカ海軍天文台が作った、およそ20等星までの5億個以上もの恒星カタログ。恒星の位置精度は、当時最高精度だった PPM カタログを参照しています。

UCAC カタログは、アメリカ海軍天文台の CDD 天体カタログの略で、位置精度を高めたカタログです。まず2000年3月に南天部分が UCAC1 としてリリースされました。
次に、南天から北緯50度までの4800万個の恒星カタログが、2004年5月に UCAC2 としてリリースされました。このカタログは、小惑星による恒星食の精度の良い予報に利用されました。

2009年8月には、全天に渡る16等までの恒星を網羅した UCAC3 がリリースされました。しかしこれは、まず全天版をリリースするためで、1%のエラーがあるとされていました。

UCAC3 のエラーを修正するなどした最終版として、2012年8月に UCAC4 がリリースされました。

いろいろな恒星カタログがありますが、何に使うかでどのカタログを使えば良いかが変わります。
国産の天文ソフト、アストロアーツ社のステラナビゲーターは Ver.9 以降で USNO A2.0 を使えるようになりました。ステラでは表示させる恒星カタログを選択できるようになっているので、どのカタログを使えば良いかは、それがどんなカタログなのかを知る必要がありますね。


火星で見る、地球の太陽面通過2014年06月09日

私が愛用している、高機能星図ソフト「GUIDE」のユーザーの交流の場のメーリングリスト(英語です ^^; )にこんなメールが投稿されました。

  タイトル:火星で見える 1984年5月11日の 地球-太陽の合

  本文:観測地を火星して、世界時 03:15 の地球の太陽面通過を表示させてみました。
      地球が画面から消えたのですが???
       (英語です ^^; )

そのわずか1時間後にユーザーからコメントがコメントがあり、その後質問者から再度詳しい説明が。その後他のユーザーからコメントが。

天文ソフト(星図ソフトやプラネタリウムソフト)も年々多機能化して、もちろんマニュアルにはそれらの機能について説明があるんでしょうが、マニュアルも年々ブ厚くなるので、読まずに使う人、多々。そんな人ほど、いろいろソフトをいじって、思わぬトラブル(?)に。
そんなときに助けになるのが、メーリングリストのような、ユーザーどうしの交流の場ですね。
寄せられる多くの質問を見ると、「おぃおぃ、マニュアル読んでるぅ?」と思うものが、やはり結構多いんですね。

あと、時折見かけるのは、他のソフトではこんなことできるけど、GUIDEではどうやってやるのか(できないの?)といった質問というか、意見というか。それぞれのソフト、いろんな独自の機能で、他のソフトと差別化をしてますからねぇ。結局のところ、「その機能が使いたいんだったら、そのソフトを使えばぁ」という結論になってしまうんですが。まぁ、そもそも、こういうメールにコメントはほとんどつきませんケドね。

でも、ユーザーにしてみれば、高機能ソフトほど、いろんな機能を求めてしまうわけで。そして高機能を持たせた結果、開発者の想定していなかった使い方をされて、不具合が発生したりします。

ところで、タイトルの「火星で見る、地球の太陽面通過」ですが、GUIDEでは簡単に表示させることができます。そればかりか、例えば「天王星から見る、地球の太陽面通過」とかも。その現象の発生する日時を得ることができれば、ですが。