『日本の星名事典』届く2018年05月27日

日本に伝わる星の名前は、昭和の初めの頃に数名の天文家が採集し、本にまとめました。中でも野尻抱影氏は著書も多く、その業績が今でもよく知られています。その成果は『星の方言集 日本の星』(中央公論社、1973)や、『日本星名事典』(東京堂出版、1973)にまとめられています。その後、これに匹敵するような本が出なかったため、永くに渡って利用されてきました。


それがこのたび、生活の中の星をテーマに星の和名を採集してきた北男浩一さんが、その成果を『日本の星名事典』として出版されました。

  『日本の星名辞典』チラシ (クリックで拡大)


日本では昭和中期のTVの普及で用語や文化の均質化が進み、星の名の方言である和名が忘れ去れてていきました。そのため北尾さんは主に、全国各地の漁師町の古老を訪ね歩いて、様々な星の和名を採集してきました。

また、北尾さんは野尻さんに星の和名を伝えた存命の本人に内容を確認し歩き、野尻さんの本の誤りを正すことまで行いました。これは本当に貴重なことです。ただ、これを行うことは北尾さん自身にとって、とても勇気の要ることだったと思います。

また、野尻さんの採集した和名が誤って伝わり広まってしまっているものを、改めて「それは誤りである」と正すのも勇気の要ることです。
その代表例が、おとめ座スピカ=真珠星でしょう。野尻さんが聞いたのは「しんじぼし」で、時期や方向はおとめ座の方向ではないものを、野尻さんがおとめ座スピカに与えた、ということです。この「野尻さんの命名」は野尻さんの本にもちゃんと書かれているのですが、それを読まない人たちが本を孫引きしていくうちに「日本では古くからスピカを真珠星と呼んでいる」と書く人が出たりしていました。

北尾さんは、星の和名採集記録を、ホームページ『星の民俗館』でも紹介していました。


このように北尾さんは、人々の生活現場で語られた星の伝承をテーマとしていて、本のタイトルもご本人は『日本の星名伝承事典』としたかったそうです。特に伝承」は入れたいと。
しかし出版社からは、それでは売れないと、『日本の星名事典』に決められたといいます。

それにしても、東亜天文学会会誌『天界』に連載したり、地方出版で数冊発行していたものなどの、さらなる集大成として、15年という期間をかけて発刊された本。
(もちろん、執筆に15年かかったワケではなく、氏は癌にかかったため入院したり)

ヒトはその人生をかけてさまざまな活動をしているでしょうが、その記録を集大成として残すというのは、とてもたいへんで、また貴重なものです。

『幻の惑星ヴァルカン』2018年04月20日

図書館で興味深いタイトルの本に出会いました。
 『幻の惑星ヴァルカン アインシュタインはいかにして惑星をいかにして破壊したのか』
 (THOMAS LEVENSON、亜紀書房、2017)

惑星ヴァルカンとは、水星の軌道が他の惑星の引力の影響を受けて回転(近日点移動)する際、既存の惑星によるものより大きく移動するため、水星軌道の内側に存在すると考えられた惑星。
しかし皆既日食時などに発見が試みられたものの見つからなかった。
それが、アインシュタインの相対性理論を使って計算したところ、その差が解決された。

上の文章の程度の内容はソラで覚えていますが、この本では、どのようにしてヴァルカンの存在が考えられるようになり、どんな検証の苦労があり、そして相対性離村による結果がどのように受け入れられていったかを詳しく紹介したもの。

本の内容は、例によって、目次を見ると分ります。
分かりやすく、訳者あとがきにある天文学史の年表も追加しました。

 パート1 ニュートンから海王星まで(1682年~1846年)
  1章 「世界の動かざる秩序」
   1687年 ニュートン『プリンピキア』出版
  2章 「幸せな考え」
   1781年 ハーシェル、天王星を発見
  3章 「そんな星は星図にない」
   1788年 ラプラス、土星の減速と木星の加速がニュートンの理論に矛盾しないことを証明
   1946年 ルヴェリエが天王星の軌道のずれの原因となっている未知の惑星の位置を予測。
         予測に基づいてガレが海王星を発見
  間奏曲 「極めてオカルト的」

 パート2 海王星からヴァルカンまで(1846年~1878年)
  4章 「三十八秒」
   1859年 ルヴェリエが水星軌道の内側に未知の惑星が存在する可能性を指摘
  5章 「引っ掛かる質量」
   1859年  レスカルボーがそれらしき天体を「発見」
   1890年 レスカルボーの「新惑星」をヴァルカンと命名
  6章 「探索は満足のゆく結果に終わるはずだ」
   1890年 世界各地でヴァルカン探索が続くも観測できず
  7章 「探索を逃れ続けて」
   1878年 ワトソンがヴァルカン「発見」を報告するが各章を欠く。
         その後も探索は不発に終わり、探索ブームは下火に
  間奏曲 「物事を見つけ出す特別な方法」

 パート3 バルカンからアインシュタインまで(1905年~1915年)
  8章 「私の人生で最も幸せな考え」
   1905年 アインシュタイン、特殊相対性理論を発表
  9章 「頼む、助けてくれ。このままでは頭がおかしくなってしまう」
   1907年 アインシュタイン、特殊相対性理論の一般化につながるヒントを得る
  10章 「喜びに我を忘れて」
   1915年 アインシュタイン、一般相対性理論を発表。
         水星軌道のずれは未知の惑星ではなく、太陽の重力による
         光の歪曲で説明できることを証明。
         これをもってヴァルカンの存在は完全に否定された。
  それから 「見たいという強い憧れ……事前の調和」

読み始めて感じたのは、科学史の解説書のような文章ではないということ。
この本は、まるで小説のように、登場人物の思ったことや語ったことが書かれていました。なので、どこまで史実で、どこが創作か、評価しながら読み進めないといけません。もっとも小説風に読む分には、ドラマチックな展開が続いて楽しく読めます。

ちなみにパート1を読む際に、『海王星の発見』(M.グロッサー、恒星社厚生閣、1985)を読んでおくと、別の視点から事情背景を見ることができてイイです。



ちなみに、別の本で読んで印象強く残っていた、水星の近日点移動を説明するためにニュートンの万有引力の法則を若干変更した数式が見つかったので、書き残しておきます。
  P=F・a^2.000 000 1574
しかし当時の科学者は「美しい理論」に傾倒していて、この本にはこう書かれています。
  「逆二乗ぴったりではなく法則」はあまりに不格好で、
  まじめに受け取る研究者はほとんどいなかった。
当時の科学者は、とにかく「美しい理論」にこだわっていたんですね。もっとも、不格好な数式だから取り上げない姿勢は、現代の科学者にも見られる姿勢かな?
ちなみにこの数式は、地球と月の運動を説明することができないことが証明されて、結果 姿を消しました。

「アンタレス」は「火星のライバル」ではなかった?2018年02月15日

つい先日、ツイッターで「アンタレス」の意味について議論が交わされました。よく本に書かれている「火星のライバル」「火星に対抗するもの」ではなく「火星に似たもの」ではないかと。
ツイッターでの議論の内容はまとめサイトに残されています。

そこで jp.wikipedia を見ると、
  巷間「火星(アレース)に対抗(アンチ)するもの」の意味であると伝えられるが、
  正しくはギリシャ語で「火星に似たもの」を意味する Άντάρης に由来する。
en.wikipeida でも、
  Its traditional name Antares derives from the Ancient Greek Ἀντάρης,
  meaning "equal to-Ares" ("equal to-Mars"), due to the similarity
  of its reddish hue to the appearance of the planet Mars.
と書かれていました。え、いつからそうなったの?
jp.wikipedia では以下のサイトの記事も出典としていました。
  Since it is found within the Zodiac, which contains the apparent path
  of the Sun and planets, it is commonly mistaken for the red planet,
  a fact shown by its name, Antares, or "Ant-Ares," which means
  "like Mars," "Ares" being the Greek name for the god of war.
このようにいくつもの参照先で「火星に似たもの」とあるので、これまで私がいろんな本で見たり、聞いたり、また私自身「火星のライバル。アンチ・アーレス→アンチャーレス→アンタレス」というのは誤りだったのか?
するとこの議論に、古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家の藤村シシンさんが登場して、自体は一変します。
プトレマイオスが『アルマゲスト』に書いた古代ギリシャ語の Άντάρης の元になったとされる Άντ + Ἄρης の Άντ (英語のanti)には、「対抗するもの」と「似たもの」の両方の意味があるといいます。
そして藤村氏は
  「火星に匹敵する星」「火星に比肩する星」とするのが一番ニュートラルな訳かも
としていました。

結局のところ、「アンタレス」の語源としては、「火星に対抗するもの」と「火星に似たもの」の両方の意味がある、として良いようです。恒星名の意味の確認はむずかしいものです。

浦島太郎(without 星)2018年02月11日

浦島太郎の物語の大元、『丹後之国風土記』の物語の中にスバル(プレアデス星団)とアメフリ(ヒアデス星団)が出てくるという話は、ずいぶん前の日記にまとめていました。
  浦島太郎と星 その1(2014年11月6日

浦島太郎の物語そのものについても当時いろいろな本を読んで様々な解釈を見知ってはいたのですが、星に関しての情報は先の日記に書いてあるものが全て。

今作成している文書の中で扱った関係で文書を取り出したところ、フト気になった。星には関係の無いことですが、この大元の物語が、どういう経緯でこんにちの『おとぎものがたり』の浦島太郎の話に変わったのか。

『丹後国風土記』に書かれていた浦の嶼子の物語の始めは、およそ次の通り。
  嶼子(島子)が一人船で海に出るが、3日間魚は釣れず、五色の亀が取れる。
  船で寝入る間に亀は美女の姿に変わっている。
  いきなり現れた女性の素性を訪ねると、「天上の仙(ひじり)の家」の者だとの返答。
  島子と語らいたくなってやって来たという。
  舟を漕いで女性の住む「蓬山」を訪れるが、海上の島であった。
  門に立つと、7人の童子、ついで8人の童子に「亀比売(かめひめ)の夫がいらした」と
  出迎えられるが、これらは昴七星と畢星の星団であった。
  浦島は饗宴を受け、女性と男女の契りを交わす。
   wikipedia「浦島太郎」 より

これが、室町時代に成立して、江戸時代に出版された『御伽草子』の中の1話となって、庶民の間に広がりました。その物語の始めはおよそ次の通り。
  丹後の国に浦島という者がおり、その息子で、浦島太郎という、
  年の頃24、5の男がいた。太郎は漁師をして両親を養っていたが、
  ある日「ゑじまが磯」というところで亀を釣りあげ、
  「亀は万年と言うのにここで殺してしまうのはかわいそうだ。恩を忘れるなよ」と
  逃がしてやった。数日後、一人の女人が舟で浜に辿り着き、漂着したと称して、
  なんとか本国に連れ帰してくれと請願する。実はこれは逃がしてもらった
  亀の化身であった。二人が舟で龍宮城に到着すると、女性は太郎と夫婦に
  なろうと言い出す。

ここですでに話がずいぶんと変わっていました。

『丹後国風土記』では、奈良時代の慣習と違って、女性の方から求婚を申し出るという、珍しい物語。これも彼女が蓬莱に住む神仙ゆえか?

これが室町時代の物語では、浦島太郎は無用に釣り上げた亀に「鶴は千年、亀は万年というから、ここでは助けてやる。恩を忘れるな。」と恩着せがましく言い放ち、はたまた女人の方は「すべて前世からの縁。私と夫婦の契りをしてください。」と申し出る。後に女人は浦島太郎が家に戻りたいと言ったときに正体を明かします。自分はあの時の亀だと。って、本性が亀になっているぅ!
ちなみに、浦島太郎が行った場所は『御伽草子』では「竜宮城」に変わっていました。

『御伽草子』などの物語を、明治始めの童話作家 巌谷小波 が書き改めた『日本昔噺』の物語をベースに、国定教科書の載せるべく生徒用に手を加えて短くしたものが、現代に知られる『浦島太郎の物語』になった、というワケです。

国定教科書版は、太郎は海辺で子供達が亀をいじめているのを見て助ける、という、例の噺です。



元々の物語が、3段階の変更で、ずいぶんと変わったものです。大きく変わって困ってしまうのは、太郎の行った場所が、蓬莱(天上)から、竜宮城(地上)の変り、さらに海底になってしまったこと、かな。

ベツレヘムの星の物語2018年01月09日

先日図書館で星に関連した本を物色中に、故草下英明さんの『星の神話伝説集』を見つけました。


文元社によるもので、2004年の発行でした。定価は3000円!
タイトルに見覚えがあるなぁと帰宅後に書棚から探すと、あったあった、教養文庫で500円で出てました(^o^)


久々に中を見ると、ベツレヘムの星の物語の中の一節が目に留まりました。
 一方、マギたちはあちこちと尋ね歩き、イェルサレムから二〇キロほと南の、
 ベツレヘムという村にたどりついた。村はずれの井戸で、マギが水を飲もうとして
 のぞきこむと、なんと昼間だというのに、ポッツリと井戸の水に星がうつっているでは
 ないですか。
   (略)
 この井戸は、今でも「マギの井戸」と呼ばれて名所になっている。

この話は新約聖書のマタイによる福音書には書かれておらず、誰かの創作なのですが、はて、「マギの井戸」って?

「マギの井戸」をググると、「アンタレス研究所」のサイトの中の「ベツレヘムの星」のページが見つかり、野尻抱影氏の『星と伝説』他にあるとありましたが、その本には記載がありませんでした。

英語でググると、”Magi's well(マギの井戸)” と呼ばれる井戸の写真が見つかりました。しかし解説はありませんでした。

  Well of the Magi on way to Bethlehem (LIBRARY OF CONGRESS

英語サイトもいくつか探しましたが、「マギの井戸」の出てくるページは見つからず。
いったい草下さんは、どんな文献から上のような物語を見つけたのだろう?

『基礎からわかる天文学』2018年01月07日

図書館で、興味深い本を見つけました。『基礎からわかる天文学』(半田利弘、誠文堂新光社)


天文月刊誌 天文ガイドで最新の天文学について分かりやすく連載している方だけだって、太陽系から銀河宇宙や宇宙論などについてとても分かりやすく、また興味深く書かれています。

この本の中で私が特に興味を持ったのは、他の本では見ない、いろいろな数値。

1-2 太陽系の様子
 星の形と自己重力
  地球や月のように岩石でできている場合、直径800km程度、質量5×10^20kg程度、
  これは地球の直径の1/8程度、質量の1/12000程度、
  これより質量が大きな天体はほぼ球形となるのです。

1-5 小惑星の特徴
 小惑星の密集度
  (小惑星が)火星軌道と木星軌道との間の同一平面上に一様に広がっているとしたら、
  小惑星が広がっている範囲は1.7×10^18km^2になります。ここに30万個が一様に
  散らばっているとすると平均間隔は270万kmほどになります。これは地球と月の7倍以上。

2-2 恒星の明るさと色
 等級の基準
  等級の基準は当初、北極星やその周辺の恒星の明るさが基準となっていました。
  しかし現在は、ベガを0等とすることが1つの標準となっています。測定に基づいた
  その明るさは波長548nmで3.64×10^-11Wm^-2nm^-1 になります。
  ほかの決め方と区別するために、これをベガ等級とよんでいます。
  近年では、波長によらず単位周波数あたりのエネルギーから直接定義される
  等級も使われるようになってきました。この場合、3.63×10^-23Wm^-2Hz^-1 を
  0等とします。こちらの等級をAB等級といいます。

2-10 褐色矮星と浮遊惑星
 褐色矮星
  恒星の質量が十分に小さいと、原始星に続く水素核融合反応がそもそも起こりません。
  この限界は理論による研究から中野武宣らによって最初に見つけられ、
  その値は太陽の0.08倍とされています。これがもっとも軽い恒星の限界といえます。
  とはいえ、宇宙には水素より核融合が起きやすい原子核がわるかながら存在します。
  それは重水素です。
  このため、太陽の0.08倍より軽い天体でも核融合がエネルギー源となる天体が
  存在しうるわけです。これを褐色矮星とよびます。

この本の冒頭部分ですらこれだけ興味深い数字が載っています。とても良い本です。

『世界神話学入門』2017年12月27日

先日Amazonで『天文の世界史』を買ったところ、関連するオススメ本で『世界神話学入門』という新書を知りました。気になるタイトルです。「内容紹介」に長々と解説があり、こりゃもう、買うっきゃナイ!
ということで、早速注文。


「内容紹介」(Amazon)
日本神話では男神イザナギが、亡き女神イザナミを求めて冥界に下ります。一方ギリシア神話にも、オルフェウスが死んだ妻エウリュディケーを求めて冥界に下るという非常によく似たエピソードがあります。しかしこのパターンの神話は上記の二つに止まるものではなく、広く世界中に分布しています。では、なぜこのように、よく似た神話が世界中にあるのでしょうか?

2013年にハーヴァード大学のマイケル・ヴィツェルが、この謎を解くべく『世界神話の起源』という本を出版しました。この本によれば、世界の神話は古いタイプの「ゴンドワナ型」と新しいタイプの「ローラシア型」の二つのグループに大きく分かれるとされます。「ゴンドワナ型」はホモ・サピエンスがアフリカで最初に誕生したときに持っていた神話です。それが人類の「出アフリカ」にともなう初期の移動により、南インドからパプアニューギニア、オーストラリアに広がり、アフリカやオーストラリアのアボリジニの神話などになりました。

一方「ローラシア型」は、すでに地球上の大部分の地域にホモ・サピエンスが移住した後に、西アジアの文明圏を中心として新たに生み出されたと考えられています。それがインド=ヨーロッパ語族やスキタイ系の騎馬民族の移動によってユーラシア大陸全域に、さらにはシベリアから新大陸への移動によって南北アメリカ大陸に、そしてオーストロネシア語族の移動によって太平洋域へと、広く広がっていきました。つまりこの説によれば、日本神話もギリシア神話もローラシア型に属する同じタイプの神話ということになります。両者が似ているのは、むしろ当然のことなのです。

近年、DNA分析や様々な考古学資料の解析によって、人類移動のシナリオが詳しく再現できるようになりました。するとその成果が上記の世界神話説にぴったりと合致することがわかってきました。すなわち神話を分析することで、人類のたどった足跡が再現できるようになったのです。

本書は、近年まれに見る壮大かつエキサイティングな仮説であるこの世界神話学説をベースにして、著者独自の解釈も交えながら、ホモ・サピエンスがたどってきた長い歴史をたどるものです。

目次
 はじめに
 第一章 遺伝子と神話
 第二章 旧石器時代の文化
 第三章 人類最古の神話的思考 -ゴンドワナ型神話の特徴-
 第四章 人類最古の物語 -ローラシア型神話群ー
 第五章 世界神話の中の日本神話
 第六章 日本列島最古の神話

この本を読んで、遺伝子研究から分った人類の世界拡散の最新情報を知りました。女性遺伝子に受け継がれるミトコンドリアDNAから分った拡散ルートについては何度かTV番組で取り上げられましたが、男性遺伝子にもY染色体が受け継がれることも分っていたのですね。これから「ミトコンドリア・イブ」と「Y染色体アダム」とか。

また、アフリカ大陸から人類が他大陸へ移動したことを指す「出アフリカ」という言葉。これは、旧約聖書の「出エジプト」にかけたものでしょうが、興味深い喩えです。

  Y染色体研究による拡散と人種。褐色がネグロイド(出アフリカしなかった)
  青色がオーストラロイド、黄色がモンゴロイド、桃色がコーカソイド

そして、原人も旧人も人類も、それぞれが異なる時期に出アフリカし、その中で人類には2回の出エジプトがあったことなど、とても興味深い内容が満載!
これらの情報を踏まえて世界各地の民俗に伝わる神話・伝説を比較していくというもの。

とても深い内容なので読む野路に館がかかりますが、じっくり読みたいと思います。

ゴルゴ13、こうのとりで宇宙へ行く2017年12月13日

2015年4月25日の日記『ゴルゴ13、宇宙へ行く』で、ゴルゴ13が宇宙へ行ってスナイプする2つの話を取り上げました。そしてその中に、日本のH2-Bロケットに積まれたHTV(こうのとり)に乗って3度目の宇宙空間スナイプをし、極秘ながら日本初の有人宇宙飛行となった話もあったことを書きました。

その後、ゴルゴ13の単行本の中を探すも、その話が見つからず。そして星空案内人のメーリングリストに投稿したところ、「コレじゃないですか?」との応え。ソレ! ソレ!!
どうやら、連載はされたものの、単行本化がされていないようでした。

それがようやく復刻されました! 『ビッグコミック増刊 ゴルゴ13総集編、2017.12.13』です。



先の2話では、宇宙へ行き、スナイプするまでは予定通りのものの、ゴルゴに恨みを持つ者が地球帰還を阻むもゴルゴはなんとか帰還し、その者を抹殺する、というパターンでした。
それが今回は、舞台が日本ということもあるのでしょうか、無事に帰還できるような段取りにはなっていたのですが、事故のため帰還が困難に! しかしそこはゴルゴ。なんとかして帰還してしまうのがスゴイ!

復刻を見て、コレは2012年1月の掲載であることを知りました。
wikipediaによると、ゴルゴ13は、『ビッグコミック』掲載の後、4年ほど経た後に単行本化されるということで、5年半以上経ってようやく、という感じです。

週刊誌版は本の保存がたいへんなので、早くA5版の単行本化して欲しいな。

新書 『天文の世界史』2017年12月10日

『天文の世界史』という興味深いタイトルの本が出版されると知り、早速 Amazon で予約しました。帯に書かれた文章がスゴイ!
 「インド、中国、マヤまでをも網羅した、初の天文学通史!」


内容がまずスゴイです。以下、目次の抜粋(Amazonから)
【目次より抜粋】
はじめに

第1章 太陽、月、地球――神話と現実が交差する世界
クリスマスの起源は太陽の誕生日?/惑星になった生首/アップデートを放置して823年間

第2章 惑星――転回する太陽系の姿
「2012年世界滅亡」の嘘/ホロスコープ占いを説くお経/21世紀の太陽系再編

第3章 星座と恒星――星を見上げて想うこと
「13星座占い」は必要?/イスラム風のオリオン座/赤い星と青い星、熱いのはどっち?

第4章 流星、彗星、そして超新星――イレギュラーな天体たち
超新星は恒星の引退/私たちは星の爆発で生まれた存在?/歴史と今とをつなぐ超新星残骸

第5章 天の川、星雲星団、銀河――宇宙の地図を描く
星雲星団の名前にMやNGCが多いワケ/宇宙の大きさと銀河を巡る「大論争」/見えざる9割の暗黒物質

第6章 時空を超える宇宙観
天体の計算と宇宙の構造は別問題/ヒンドゥー教と天文学の奇妙な関係/宇宙の年齢、そしてその運命に迫る

終章 「天文学」と「歴史」
インドを侵略した王とインドを愛した宮廷占星術師/植民地と天文学/火星人のように異質な日本人?

内容のすばらしさは、「はじめに」に書かれた次の説明からも分ります。
  そんなふうに今日ですら天文学の教科書がどんどん書き替えられている中で、この本で何百
 年も前の天文について知ることに、一体どんな意味があるのでしょうか。
  私は、天文の「問い」を知ることに大きな意義があると考えます。
   (中略)
  今も昔も「天文」にはまりにも多くのことが含まれているので、教科書のように全ての事
 柄を時系列に並べると、たどっていくのが難しくなってしまうおそれがあります。そこで本書
 では天体の種類によって章を区切ることにしました。天体ごとに「天文」の異なる様相が見え
 て、天文における「問い」の変遷もはっきりしてくることでしょう。

このようにして天体ごとに「天文」の「問い」を眺めることで、それぞれがとても分かりやすく、また興味深く読み進めることができます。

ただ、「天文の」「世界史」と題していることもあって、それぞれの事象の詳細や天文学的な内容や、世界史的な内容はさらっと書かれているので、本書を読み進めるには、そういう事柄をさらっと流すか、それぞれについてそれなりに知っている必要があるようです。

ともかくも、これまでに例を見ない良書だと思います。

天文年鑑 2018 を購入2017年11月27日

毎年発行される、天文現象や天文データを紹介する本。
昔は観測者向けの『天体観測年表』(地人書館)もありましたが、観測者人口が減った影響でしょうか、廃刊となり、今は『天文年鑑』(誠文堂新光社)と『天文手帳』(地人書館)がよく知られています。

他にも『理科年表』にも多くの天文現象やデータが載っていますが、天文愛好家向けではありません。
近年はいろんな種類の天文手帳が発刊されるようになりました。

近くに天文年鑑を置いている書店fが無いので、今年はAmazonで別の品と一緒に購入しました。
ヤマト運輸の発送だったので、メンバーズ登録していたこともあり、メールで配送の連絡があり、おかげで時間指定をして受け取ることができました v(^-^)



『天文年鑑』を毎年買い続けてはいるものの、実は中を見ることはほとんどありません σ(^-^; インターネットで多くの情報を得られるようになった現在では、自分の手の届く天文現象は、あちこちのサイトでの情報で事足りるからです。

ではなぜ買うかというと、毎年の記録、ですね。
それぞれの年にとんな天文現象があったか、どんな出来事があったか、そういったことが記されているので、掲載されているデータを見るというより、文章の方を読むことが多いです。

それにしても、印刷技術の進化で、どんどん活字が小さくなっていく・・・ 理科年表もそうですが、天文年鑑も大判サイズが必要になるのかな?