クリスマスと星 その22018年12月01日

【星空案内Tips】クリスマスと星 その2

まだ1ヶ月以上も先なのですが、街ではLEDイルミネーションの点灯が行われ、パーティ用食材の予約が始まるなど、そろそろクリスマスの話が出てきました。クリスマスと星とはいろいろと関係があるので、紹介したいと思います。

3.クリスマスが12月25日に行われるようになるまで

この項は、星とは関係ありません。「4」のための前置き話です。

初期のキリスト教では、キリストの死と復活が大きな関心事だったので、当初、毎週の「主の日」(後に日曜とされる)と、キリストの復活を祝う「復活祭」(イースター)を大切な祝日としていました。
また、使徒や殉教者を記念する祝日は、彼らの命日とされました。
このように、キリスト教ではもともと、誕生日を祝うことは行っていませんでした。それどころか、3世紀初頭の記録では、神の誕生日を祝う異教を批判していました。

しかし、教会の公式としては誕生日を祝うのは批判的でしたが、信仰者はイエスの降誕を祝いたい気持ちは古くからありました。そもそも「マタイ伝」「ルカ伝」にイエスの降誕にまつわる物語が記されていたことも、その現れでしょう。243年に出たある書物では、イエスの誕生日を3月28日としていました。なぜこの日としたかは不明ですが。

そうこうしているうち、4世紀の前半には「キリストの洗礼と誕生」を教会で公式に祝うようになりました。これは「顕現祭」で、1月6日でした。一方、ローマのコンスタンティヌス帝は、当時兵士の間でも信仰されていたミトラ教からキリスト教に改宗させる意図もあって、ミトラ教の太陽崇拝とキリスト崇拝を統合させようと、冬至祭の日であった12月25日をキリストの誕生祭としました。多くの教会から抵抗があったそうですが、386年には12月25日を「すべての祝祭の原点」である「キリストの誕生」を祝う祭が行われました。

4.クリスマスツリーが家庭で飾られるまで

教会では「クリスマスの夕べ(クリスマス・イブ)」に教会でミサを捧げ、また人間の原罪を解説するため、旧約聖書・創世記のアダムとイブの物語を絵画や人形で解説したり、劇で演じられていました。劇では、知恵の木として常緑樹が置かれていました。知恵の実としては、当時入手できた果実としてリンゴが代用されました(リングが知恵の木の実ということではなく)。

アダムとイブの物語や、イエスの誕生の物語を模した人形は家庭にも広まり、イエスの誕生はそれぞれの家庭でも祝われるようになりました。

16世紀のドイツの神学教授マルティン・ルターは、家庭でのクリスマスがより良くなるよう考えながら夜道を歩いていて、枯れ木の前で空を見上げたとき、枯れ木の枝に星々が輝いているのを見、「コレだ!」と思ったといいます。この出来事から、家庭で飾られるクリスマスツリーに、星を模したローソクが飾られるようになりました。

(クリスマスツリーとしてモミの木が使われるようになった経緯については、ネット上のたくさんのページにいろんな説が紹介されていますので、そちらを)

ちなみに、クリスマスツリーに飾られる「オーナメント(飾り、装飾)」のうち、丸い玉は、知恵の木の実を表しています。

5.危なくないクリスマスツリー

この項も、星とは関係ありません。

クリスマスツリーに星飾りとしてローソクが灯されるようになると、当然ながら火事がよく起こるようになりました。

20世紀初めの発明家トーマス・エジソンは電球を発明し、電力会社も興しました。しかし電球はまだまだ高価で、なかなか売れませんでした。そんなエジソンが思いついたのは、火事の多発するクリスマスツリーに、ローソクのかわりに小型電球を飾る、というものでした。エジソンはそのような小型電球を開発して「危なくないクリスマスツリー」として、電飾したクリスマスツリー飾りました。これにより徐々に電球が普及し、こんにちのクリスマスの電飾につながりました。

クリスマスと星 その12018年11月23日

【星空案内Tips】クリスマスと星 その1

まだ1ヶ月以上も先なのですが、街ではLEDイルミネーションの点灯が行われ、パーティ用食材の予約が始まるなど、そろそろクリスマスの話が出てきました。クリスマスと星とはいろいろと関係があるので、紹介したいと思います。

1.「クリスマス」って何の日?、「ベツレヘムの星」

「クリスマス(Christmas)」とは、キリスト教でイエス・キリストの降誕を祝う祭り(以前は、誕生日ともされていた)で、12月25日に行われます。

ただし、キリスト教に先立つユダヤ教では一日の始まりを日没としていたため、今日の時刻制度では前日の12月24日の日没からを「クリスマス・イブ」と呼んで、教会暦上はクリスマスと同じ日時としています。
※「イブ」は「Evening」に由来し、「クリスマスイブ」は「クリスマスの夕べ」と呼んだりしています。決して「前日」という意味ではありません。 ですので、12月23日を「クリスマス・イブ・イブ」と呼ぶのも誤りです(^^;

イエスの誕生については、新約聖書の『マタイによる福音書(マタイ伝)』と『ルカによる福音書(ルカ伝)』に書かれています。もっとも、新約聖書はイエスの昇天から60~80年後に書かれた(まとめられた)と考えられていて、また12使徒が知っているのは自信がイエスと出会ってからのことなので、イエスの誕生にまつわる話は事実であるとは考えられません。つまり『マタイ伝』や『ルカ伝』に書かれている話は、何かしらの意図があってそのようになっていると考えるのが正しいのでしょう(と、クリスチャンの方には言えませんが ^^;)

『マタイ伝』には、次のような物語が書かれています。時系列に改めています。
(1)イスラエルの東の方で占星術師が、ユダヤの王が生まれたことを示す星が
 出現したことに気づき、祝福するためにヘロデ王のいるエルサレムを訪れた。
(2)"東方の三賢人" はヘロデ王に「ユダヤの王として生まれた方」がどこにいるか
 訪ねた。ヘロデ王が学者を集めて問うと、「それはベツレヘムです」と言ったので
 三賢人にそう伝えた。
(3)三賢人の前に「東方で見た星が(現れ)、彼らより先に進んで、幼な子のいる所
 まで行き、その上にとどまった。」 彼らは家に入って、「母マリヤのそばにいる
 幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬などの
 贈り物をささげた。」
(4)ヘロデ王は、自信の地位を脅かすユダヤの王など殺そうと考えていた。
 三博士の夢に天使が現れ、ヘロデ王のところに帰るなと告げられたので、
 他の道を通って国に帰った。
 天使は幼な子の父ヨセフの夢にも現れ、ヘロデ王が殺そうとしているから、
 エジプト(ヨセフの出身地)へ行って、あなたに知らせるまでとどまっているよう
 言ったので、ヨセフはマリアと幼な子を連れてそのようにした。
(5)三博士が戻らないことに気づいたヘロデ王は、ベツレヘムと付近の地方にいる
 2歳以下の男の子を、ことごとく殺した。
(6)やがてヘロデ王が死ぬと、ヨセフのところに天使が現れて言ったので、
 ヨセフは妻子を連れてイスラエルへ行った。

『ルカ伝』にはこれを補足するような、しかしかなり詳しい物語が書かれています。

ここで注目したいのは、東方の三賢人(日本語訳聖書では三博士)が見た”ユダヤの王が生まれたことを示す星”、そして彼らをマリアのところに導いた星とはどんなものだったか、ということです。この星は、彼らをベツレヘムの地に導いたという意味で「ベツレヘムの星」と呼ばれるようになりました。

キリスト教会では長らくこの星は精霊のようなものの程度に考えられていたようですが、17世紀の天文学者ヨハネス・ケプラーが画期的なアイデアを提示しました。

1604年にケプラーは、へびつかい座にこれまで無かった新しい星が出現したのを発見し、観測しました。これは「SN1604(ケプラーの新星)」と呼ばれています。ケプラーは、恒星天は不変だと思っていたので、新星の出現に驚きました。ケプラーは、ちょうどその時に、新星のすぐ近くに木星・土星・火星が集合していたことから、「木星と土星が接近し、そこに火星が入ると、新星が出現する」と考えました。

ケプラーのこの考えも、こんにちの私たちからすると驚きですが、ケプラーはさらにもしかしたら聖書にある「ベツレヘムの星」もこのようなものではなかったかと考え、木星と土星の2星会合の周期と位置を詳しく計算しました。その結果、なんと、紀元前7年にうお座で木星と土星が会合し、そこに火星も入り込むことが分かり、この時に新星が現れ、それが「ベツレヘムの星」ではないかとしました。

ケプラーのこの主張が当時どのように受け取られたかは分かりませんが、「ベツレヘムの星」の正体を星空に求めるというアイデアは画期的なものでした。その後多くの天文学者や天文家が様々な天体や天文現象を「ベツレヘムの星」の候補として提案しています。

自主映画『非認可の世界』2018年07月20日

三沢市図書館へ出かけた際、入り口脇に自主映画上映会のポスターが貼られていました。『非認可の世界~人類は宇宙で孤独ではない』。


ポスターを見ても、どんな映画なのか全く分かりません。「非認可」って何? ただ、「人類は宇宙で孤独ではない WE'RE NOT ALONE.」で、宇宙人関係の映画であろうことは想像できました。
とてもアヤかったのですが、協力に県立三沢航空科学館の名があったので、そこそこには大丈夫かな、と思い、怖い物見たさで(^^; 応募しました。
で、今日が上映会。

会場は、三沢市の中心街にあるイベント場。ビデオ上映のスクリーンとイスを設置しただけの簡単な会場。


壁側にはオードブルが置かれてあり、フリードリンクもあって、飲食しながらの鑑賞会。これだけでも参加費分はあるかな?(^-^)


定刻になり、司会の方の挨拶で始まり、上映会の主催者(?)のアメリカ人の方(アセンジョン ガイドのグレゴリー・サリバンさん)から解説。日本語は流ちょうでした。


『非認可の世界』は、アメリカで出版された『ディスクロージャー』という、宇宙人やUFO事件に関係した人たちが、今になって顔出しや報告をしたことを紹介した本の日本語版が出版されたことのお知らせと、その内容を語るという、自主制作映画。


内容は、まぁ宇宙人やUFO関係に詳しい人(雑誌『ムー』的な人?)には聴いたことのあるものがほとんどでしたが、この本の著者であり、映画の進行役である人は、これらの情報が、「当時実際に関わった人たちが、その顔や素性を明らかにして報告したこと」の意義を強く訴えていました。

内容は、私には特に目新しいものではなかったですが、気になったのは、この映画の進め方。
BBSやDISCOVERY CHの番組でもよく見るのですが、とにかく細切れのいろんな映像を次々と出して、ソレが今話しているモノの映像なのか参考映像なのか、よく分かりません。

また、これはヒドく気になったのですが、台詞は英語なので日本語字幕が付くんですが、その字幕の位置がとにかく落ち着かない! よくあるのは画面下に置かれるパターンで、映像シーンで支障があるときだけ右になったりしますが、この映画では、意味も無くとにかく、下・右・左と、あちこちに表示される。これでは字幕を追いかけて読むだけで精一杯。
ということは・・・ つまりは、それを読んでいる間に、自分の思考がストップし、思想をしっかり持っていないと、簡単に洗脳されてしまう、ということでもありました。

つまりは、この映画に関係した人たち、それは興味を持って見に来る人たちもそうでしょうが、そういうモノを信じている or 信じたい人たち向けの映画であり、本であり、上映会である、ということを感じました。アブナイ世界です。


途中に休憩をはさんだ長い上映の後、サリバンさんからコメントなど。訴えたいメインテーマは、「世間にはいろいろ語る人や、UFOおじさんがいたりするけど、この本・映画こそが真実」!
そして、上映会の翌日の夜には、鰺ヶ沢のスキー場で、実際にUFOを呼ぶ会を開くとか。

ある意味、私の予想を超える方々でしたが、「あぁ、こうやってこのこの人たちは、自分が見たいものだけ見て、信じているんだな」と感じ、それを確信できた上映会でした。

冥王星の衛星カロンの命名の由来2018年06月26日

1978年6月22日に、アメリカの天文学者ジェームズ・クリスティー氏が冥王星の衛星を発見しました。今年で発見から40年。
2015年7月13日には、アメリカの惑星探査機ニュー・ホライゾンズが冥王星に接近し、冥王星やカロンの姿を撮影する快挙を行いました。

 ハッブル宇宙望遠鏡が撮った冥王星のベストショットと
 ニュー・ホライゾンズが接近撮影した冥王星

1930年に冥王星が太陽系第9番惑星として発見された後に、冥王星に衛星があるかはSFなどでもよく話題になりました。1974年に放送されたアニメ『宇宙戦艦ヤマト』でも、ガミラスの冥王星基地を攻撃する際、ガミラスの反射衛星砲の攻撃を受け、冥王星の衛星にアンカー(碇)を打ち込んで墜落を回避するという、ぶっ飛んだ戦いが行われました(^=^)

  宇宙戦艦ヤマトで描かれた冥王星(1974年)

  冥王星の衛星にヤマトからアンカーを打ち込む

ある科学作家(たぶん、アイザック・アシモフ)が書いた天文入門書の中で、冥王星に衛星が見つかった時に、付ける名前を提案していました。冥府の神プルートーに関係した神の名前だったと思うのですが、残念ながら忘れてしまいました。本も見つかりません(T-T)

そして1978年のこと。アメリカの天文学者クリスティーが冥王星の拡大撮影した画像の中に膨らみを発見しました。継続して観測したところ、この膨らみが周期的に移動していることから、衛星であることを発見しました。

  冥王星の衛星発見の画像

その当時、新しく発見された衛星の命名の手続きはどのようになっていたか分かりませんが、NASAが作った動画によると、その天体を発見した人が最初に提案する権利があるとされています。
そこで発見者のクリスティーは、妻シャーリーン(Chalene)の頭文字をとり、末尾に「on」を付けて「カロン(Charon)」とすることを提案しました。「on」を付けた理由についてクリスティー氏は「私はいつも物理学のことを考えていたので『Electron(電子)』や『Proton(原子)』という単語があったので」と、学術名風にしたと語っています。

ただ、クリスティー氏の提案が採用されるか不安だったので、辞書で『Charon』を調べてみると、ちょうどギリシャ神話で死者の魂を黄泉の世界へ運ぶ船の渡し守の名前として載っていました。これは、冥界の王である「ハデス(ローマ神話名がプルートー)」とよくマッチすることから承認されました。

  「地獄の渡し守カロン」(ギュスタード・ドレによる『神曲』の挿絵)

アメリカではこういう命名のいきさつがちゃんと伝えられていたので、「Charon」を「シャロン」と呼んでいるそうです。jp.wikipedia ではまだ懐疑的に書いていますが。

冥王星の衛星の名が、地獄の渡し守の名とされたのは「よくできたものだ」と思っていたのですが、まさか発見者の妻の名前から来ていたとは! 言われてみれば、「プルート」はローマ神話の冥界の神で、ギリシャ神話なら「ハデス」とするべきでした。

冥王星の衛星発見40周年記念のNASAの動画で知った新事実でした。

  ニュー・ホライゾンズ探査機が撮影した 冥王星とカロン

アメリカ英語の言い回し2018年06月21日

最近アメリカの連ドラがよく放送されるようになったので、結構見てます。多くは、ストーリー展開が分かればイイので日本語吹き替えで見るのですが、時々は字幕を見ながら原語を聴いたり。

英語は多少できます。高校程度ですが。高卒程度ではなく(^^;
中学時代から英語に関心がありました。中学時代にアメリカの女の子と文通したり。
高校時代は英会話クラブ(?)に入ったり、英語の天文誌を読んだり。
卒業後、東京のG社に勤務した時は、海外出張の際に通訳を担ったりして。
社会人になっても英語と縁があったおかげで、今でも多少は読み聞きができます。
おかげで天文関係の英文は多少読めたり、しゃべっている単語が聴き取れたりします。

SFドラマ『エージェント・オブ・シールド』を見ている時に、奇妙な言い回しに出会いました。
書類への署名を求める場面で、「署名する」の意味で「J.ハンコックを」と言っていたのです。気になったので、調べてみました。

アメリカのジョン・ハンコックは、1730年頃の政治家で、アメリカ独立宣言に最初に署名した人物でした。この栄誉ある署名を行った人ということで、「Jhon Hancock」は「signature(署名)」と同義語として使われているのだそうです。

2008年の映画『ハンコック』に登場する乱暴な超人は、自分の名を知らず、逮捕された際に書類に署名を求められて「Write John Hancock」と言われたことをそのまま「ジョン・ハンコックと書け」と思ってその通りに書き、それ以後彼は「ハンコック」と呼ばれるようになった、という背景があります。

アメリカ映画にはこういった、人名を使った言い回しがあります。

TV番組『スーパー・ナチュラル』のどこか(初期シーズンの中)で「Are your Houdini?」と問われるシーンがありました。日本語訳では「お前は魔法使いか?」といった訳にされていました。

「ハリー・フーディーニ」は、1900年代初めにアメリカで活躍した「脱出王」。オーストリア=ハンガリー二重君主国で生まれたヴェイス・エリクの芸名です。当時ちまたにあふれていた超能力や心霊術のいかさまを暴露するサイキック・ハンターでもあり、自信もタネがありながら魔術や心霊術のようなものを実演したため、「現在のアメリカで最も有名な奇術師」と呼ばれました。
このことから「お前は奇術師か?」の意味で「Are you Hodini?」と呼ばれたことの意味が分かりました。

  Harry Hudini (wikipediaより)

アメリカ英語で「急いで」という意味で「hurry up」がよく使われます。その後の由来として、英和辞書には「たぶん擬声語、古いスウェーデン語の hurra to whirl round」と書かれています(カレッジクラウン英和辞典、三省堂)。
しかし「ハリー・フーディーニ」の生涯を再現した映画『フーディーニ/天才魔術師の生涯』(1998年)で、ハリーが手錠をして水槽から脱出する際、観客が「ハリー、早く上がれ!」という意味で「harry up!」と連呼したのを見て、すぐにこれが由来であろうことが分かりました。

アメリカ英語には、本当にいろんな喩えがあるもので。


昔、Sky&Telescopeで天文ニュースを毎週ニュースレターで配信していた時、それを日本語訳してネットグループ(パソコン通信の掲示板)に投稿していた時、奇妙な英単語に出会い、訳せなかったことがあります。

それは、例えば近くの恒星が超新星爆発を起こした時をシミュレーションしたもので、タイトルが「SPF 1000(10000?)が必要」というものでした。


当時はインターネットが普及しておらず、手近な英語辞典で「SPF」を調べても、全く載っていません。タイトルなので、文章から類推することもできません。そのため訳せいないことを添えながら投稿しました。
すると、それを読んだ天文学者の方から、「それは Sun Protect Factor の略で、日焼け止めクリームのことだよ」と知らされました (^^ゞ

日常会話の英文を訳すには、本当にいろんなことを知らないといけないと実感したものでした。

【Tips】「真珠星」の謎を真実2018年06月15日

【星空案内Tips】「真珠星」の謎と真実

 春の星座、おとめ座で輝く1等星「スピカ」の日本での呼び名として「真珠星」がよく知られています。この星のやわらかい純白な光は、まさに「真珠」のようです。

 ところがこの和名の由来は古いものではなく、またどこかで言い伝えられたものでもないのです。昭和の初めに野尻抱影さんが星の和名を集めていたとき、協力者が『民間伝承』という本の中に書かれた福井県三方郡日向(ひるが)に伝わる星の名を見つけたもので、そこには次の様に書かれていました。
  「シンジボシ 六月の八時頃上がる。白色で小さい。」

 野尻さんはこれだけでは何の星か分らず、多少強引ながら、スピカの澄んだ白光を真玉・白玉にたとえた「真珠星」と解釈することにしました。


 太平洋戦争末期に、海軍航空隊から常用恒星に和名を付けるよう依頼があり、野尻さんはスピカにこの名を当てました。この名前は、当時天文普及書を著していた天文学者 山本一清博士も賛成したといいます。さらに山本博士からは
  「赤いアークチュラス(原文ママ)を珊瑚星にすれば、真珠星と一対になる」
と言われ、野尻さんもなるほどと思って一時使ったものの、こちらは広まりませんでした。戦中・戦後には南海の珊瑚に馴染みがなかったのかもしれません。

 このように、おとめ座スピカを「真珠星」と呼ぶのは古いものではなく、また由緒あるものでもありません。これについては、先日発刊された『日本の星名事典』(北尾浩一、原書房)により詳しく書かれています。


 もっとも、このことは「スピカを真珠星」と言ってはいけない、ということではありません。スピカのきれいな白い色は、まさに「真珠星」と呼ぶにふさわしいものです。ただし、北尾さんが書かれているように
  「古くから日本で伝承された」
と言うのは誤りである、ということです。

 ところで、外国ではスピカなどの星を真珠にたとえてはいないものでしょうか?


 時と共に西の海に沈んでいく(ように見える)星たちが、海の中の貝の中で昼の間休み、それが漁師によって採られた貝の中の真珠である、といった話は無いものでしょうか?

 私はこの仮説を立てていろんな本を調べましたが、残念ながら見つかりませんでした。そこで真珠について調べたところ、真珠というのは白色で丸いものばかりでなく、黒いものや、グニャグニャに曲ったものなどあることを知りました。昔の漁師さんはこのことを知っていて、これを星だとは思わなかったのでしょう。

 では、海に沈んだ星はどうなったと考えていたのでしょう?


 実は、星は真珠ではなく、ヒトデだと考えられていたのでした!


 古代エジプトの貴族の墓の天上に5本の放射線の図柄が描かれていますが、これはヒトデの形をした星々だったのでした。ちなみに、ヒトデの英語名は「Starfish」といいます。意外な発見でした。

  ウナス王ピラミッド内部の壁に描かれた、ヒトデ型の星々

一週間の始まり2018年06月14日

TV番組で、気になる発言がありました。
次の日曜(6月17日)は「父の日」なのですが、「今週 日曜は父の日」と!


アレ? 一週間って、日曜から始まるんだなかったっけ?
ただ、日本では多くの人の仕事勤務の関係で、月曜始まりのカレンダーが便利だとか。

気になったので、ググってみました。すると、驚きの真実がぁ!!
日本での週は、JIS規格(JIS X 0301)によって、月曜始まりだったのでしたぁ!!
あと、国際規格(ISO 8601)でも、月曜が週の始まりと決められていました。

星空の文化ではよく知られている(?)ように、一週間の起源は次のようなもの。

まず、古代バビロニアで、1日を24時間に区切った。そしてそれぞれの時間が、7惑星(日・月・5惑星)に支配されると考えた。そして当時の宇宙論で考えられた遠い天体から順に、それぞれの時間に割り振った。そして、1日の最初の1時間にあたる惑星は、その日も司ると考えた。
この方法を行うと、次のような順になります。
  土星・太陽・月・火星・水星・木星・金星

ユダヤ教では、土曜を週の始まりとしていました。
キリスト教では、太陽を主神を見なして、日曜を週の始まりとしました。

そして jp.wikipedia によると、カレンダーの実体としては、アメリカなど多くの国では日曜始まりとし、フランスでは月曜始まり、そしてイスラム圏では金曜を公休日としているため、土曜始まりとしているそうです。

日本では、明治の初めに欧米から文化を取り入れたので、当然カレンダーは日曜始まりでした。

高校時代にBASIC言語でプログラミングを学んだとき、任意の日付の週を得るには、
 週番号=MOD((DAY - 基準日),7)  : MODは余りを求める関数
で、得られた週番号から、0=日、1=月、2=火、3=水、4=木、5=金、6=土 と教わりました。この説明でも、週の始まりは日曜としていたワケです。

ところが国際標準規格 ISO 8601 では、週番号を1~7としているため、月曜が週始まりになります。

どの日を週の始まりとするかは、慣習によりけりなところもありますが、国際標準(そして日本標準)があったことは、ある意味 驚きでした。

月の和名の意味、由来2018年05月31日

日本には、1月~12月までの和名があります。
平安時代の書かれた日本書紀や万葉集に、「一月」と書いて「ヤヨヒ」などとヨミガナが振られ、漢字が伝わる以前に日本にあった月の呼び名が伝え残されました。

月の和名に、今に伝わる漢字が充てられたのはいつからなのかは分かりません。(ネットにも、手元の本にも見つけられなかった) しかしその漢字は当て字で、いくつかの種類があります。

国立国会図書館のサイトに『和風月名(わふうげつめい)』と、名前と意味が紹介されていました。

旧暦の月 和風月名   由来と解説
   1月 睦月(むつき)
       正月に親類一同が集まる、睦び(親しくする)の月。
   2月 如月(きさらぎ)。衣更着とも言う。
       まだ寒さが残っていて、衣を重ね着する(更に着る)月。
   3月 弥生(やよい)
       木草弥生い茂る(きくさいやおいしげる、草木が生い茂る)月。
   4月 卯月(うづき)
       卯の花の月。
   5月 皐月(さつき)。早月(さつき)とも言う。
       早苗(さなえ)を植える月。
   6月 水無月(みなづき、みなつき)
       水の月(「無」は「の」を意味する)で、田に水を引く月の意と言われる。
   7月 文月(ふみづき、ふづき)
       稲の穂が実る月(穂含月:ほふみづき)
   8月 葉月(はづき、はつき)
       木々の葉落ち月(はおちづき)。
   9月 長月(ながつき、ながづき)
       夜長月(よながづき)。
  10月 神無月(かんなづき)
       神の月(「無」は「の」を意味する)の意味。
       全国の神々が出雲大社に集まり、各地の神々が留守になる月という説もある。
  11月 霜月(しもつき)
       霜の降る月。
  12月 師走(しわす)
       師匠といえども趨走(すうそう、走り回る)する月。

ところで昔は、日本の文化はとにかく大陸から伝わったもので、日本独自のものは無いと考えられていた時代があったようです。そして『暦学史大全』(駿河台出版社、1968)に興味深い解釈が載っていました。
月の和名は、チベット語やレプチャ語(現在はインドと中国に挟まれた地域)に由来している、というのです。これは、日本人の祖先はレプチャ人である、という説に依っています。

  一月:ムツキ、チベット語の雷の月(ブルク)
  二月:キサラギ、チベット語の「2の月(ビザラ・ニ)」
  三月:ヤヨヒ、レプチャ語のマルニョムから転
  四月:ウヅキ、チベット語の「羊の月(ウ・ヅキ)」
  五月:サツキ、チベット語の「猿の月(サルボ)」
  六月:ミナヅキ、チベット語の「鼠の月(ミ・ナ・ツキ)」
  七月:フミツキ、レプチャ語の「鳥の月(フォイ・ツキ)」
  八月:ハヅキ、レプチャ語の「犬の月(ハ・ツキ)」
  九月:ナガツキ、レプチャ語の「輝きの月(ナガ・ツキ)」
  十月:カンナヅキ、チベット語の「牛の月(ガン・ナツキ)」
 十一月:シモツキ、レプチャ語の「虎の月(サシモ・ツキ)」
 十二月:シハス、レプチャ語の「勝利の月(ギャバス)」
   春 :ハル、チベット語の「雪が解ける頃(バャル)」
   夏 :ナツ、レプチャ語の「熱い(ガツ)」からニャツと転
   秋 :アキ、レプチャ語の「実る(アク)」
   冬 :フユ、クマオニ語のフューン

この”日本人の祖先はレプチャ人”説は現在どのようになっているか分かりませんが、よくまぁ、見つけ、あてがったものだなぁ、という感じです。

山形市で四角い太陽2018年05月23日

新聞のニュースですが、とても興味深く、貴重な出来事なので、記録として。

毎日新聞のネット速報で、山形県鶴岡市で、日本海の水平線に沈む「四角い太陽」が目撃・撮影されました。

 2018年5月22日午後6時48分ごろに読者撮影

「四角い太陽」というと、冬に北海道の釧路などで目撃されるものだと思っていました。これは蜃気楼の一種で、海面近くと上空の温度差が大きいと起きる現象。この日の鶴岡市の最高気温は7月下旬並みの29.2°で、午後6時50分でも25.1°と暖かかったそうです。

これを目撃した男性会社員は、「見たのは10年ぶり。キノコのような形から、四角に変って沈んで行った」といいます。

日本海の海岸沿いの地域で、毎日のように沈む太陽を見続けていると、こんな目撃もできるものなのですね。

「天に星 地に花 人に愛」2018年04月05日

暖かくなってきて、母の遺した庭に今年も花が咲き始めました。明日はこの時期にしては珍しく雪が降るとのことなので、少しだけ雑草取り。
久しぶりに庭いじりをしていると、ある言葉を思い出しました。

  天に星
  地に花
  人に愛


私がこの言葉に初めて出会ったのは、薬師丸ひろ子さんの曲『天に星 地に花』でした。ただし、歌詞は少し違います。
  ♪今、天に星
    地には花
    君に愛を

この言葉の出所をネットで調べたところ、いろいろ興味深い情報が見つかりました。

この言葉はよく色紙に書かれ、武者小路実篤が書いたものだということは昔調べて知っていましたが、それが元は明治の評論家で思想家でもある 高山樗牛(たかやま ちぎゅう)が『太陽』明治29年8月号の記事に書いたものらしい、とのことでした。
  天にありては星、地にありては花、人にありては愛。
  是れ世に美はしきものの最ならずや。
    (「『今戸心中』と情死」、『樗牛全集』第二巻)


でも、ちょっと長いです。

世に知られている文は、おそらく高山樗牛の文を読んだであろう武者小路実篤が色紙に書いた詩文によるものとされています。
(『武者小路実篤全集』第十一巻、「詩千八百」)


別の説(?)では、この文はゲーテが書いたものだといいます。

  天には星がなければならない。
  大地には花がなければならない。
  そして、人間には愛がなければならない。
    (出典不明)


しかし東京ゲーテ記念館が問い合わせに応じて数種類のゲーテ全集で調べたところ、見つけられなかったそうです。そのため記念館の説明としては、「当面は、この言葉はゲーテのものではない、と言わざるをえません。」としています。

ゲーテ説は怪しく、高山樗牛の文はやや固いかな。
なのでこの言葉は、シンプルで印象に残る、武者小路実篤の詩文としても良いかな。