DOB 12 の光軸調整2020年03月08日

2月19日の日記で、ピンホール式の光軸調整用アイピースを使って光軸調整をやってみました。しかしこの方法は焦点距離が800mmぐらいの小型望遠鏡じゃないと、接眼部と主鏡部の行き来がたいへんなことが分りました。

そこで考えたのが、レーザーコリメーターを使うこと。そこでAmazonを覗いたら、値段の幅が1桁違うグループが! 1万8千円ほグループと、1800円ほどのグループ。安いのはうれしいのですが、大丈夫か? とりあえず数品目をチェックしたところ、その全てが中国の深圳の会社のものだった。ちょうど時期悪く、新型コロナウィルスが流行中。深圳の会社から購入して、届くのはいつになることか。

そこで県内の星仲間に問い合わせてみました。レーザーコリメーターを持ってて、貸してくれる人はいないか、と。するとありがたいことに、弘前市のKさんが提供してくれました。


  アイピースの中心から赤いレーザー光が出ます

  (クリックで拡大)
  主鏡のフタをしたところ。中心にレーザーの赤い点が写っている。

  (クリックで拡大)
  光軸調整前。斜鏡に戻ってきた光が2つに分かれてる。

  (クリックで拡大) 光軸調整前。
  アイピースから出たレーザー光がアイピースの中心に戻るようにネジを調整する。

  光軸調整で、主鏡で反射されたレーザーが中心に戻ってきた様子。

これで光軸調整が完了となるワケですが、実はも少し追い込みが必要です。

まず、レーザーコリメーターが接眼部の中心にいない、という問題があります。アイピースの固定ネジが2本なので、ネジの無い側にズレてしまいます。そしてそのため、レーザーコリメーターが斜めに付いていることになります。このため、主鏡の中心に貼られたリングシールを見ると、レーザーがシールの中心に無いことが分ります。

  (クリックで拡大)
  鏡筒の先から主鏡を見たところ。
  斜鏡の左に見えるリングシールの左にレーザー光が当っている。

このズレを確認するために、アイピースの固定ネジの向きを180°変えたところ、光軸がズレていました。つまり、光軸調整が完全にできていないということになります。レーザーコリメーターはとても便利、というか、ドブソニアン式望遠鏡には必須ということが分りましたが、これを使った光軸調整の方法には、もう一工夫が必要なことがわかりました。

  光軸調整後に月をコリメート撮影

3月8日夜の収穫2020年03月09日

昨日は快晴に恵まれるとの予報だったので、レーザーコリメーターを使って光軸調整した後、夕方早くにいつもの公園へ星見に出かけました。もちろん、望遠鏡はスカイウォッチャーDOG GOTO です。

17:00
東空に月齢14、満月の2日前の月が。


さて、明るいうちに到着して、しっかりと望遠鏡の組み立てを行いました。

  地面にブロックを置いて、その上に架台を設置

  水準器を使って水平を確認

  水平調整のために、ブロックの上に木の板を追加

  電機部品の影響の少ないところに方位磁針を置いて、「北」に合わせて設置

  望遠鏡を載せ、バッテリー接続

  レーザーコリメーターを使って光軸調整

  気温は12.7℃、湿度は47%

  鏡筒を水平に向けて、設置作業終了!

星が見えるようになり、恒星だけを使ってアライメント。さて、天体観望の開始です。

18:36 オリオン座 M42・M43 オリオン大星雲
  Gain=300、1/2秒と1秒露出の画像を Photoshop 2018 を使ってHDR処理
  (Photoshop は使い慣れていないので、いろんな調整ができてません ^^; )

18:45 おうし座 M1 かに星雲
  Gain=350、2sec。月明りの中 辛うじて写ったものをあぶり出し。

18:47 ぎょしゃ座 M37
  Gain=350、2sec。生画像。

18:54 ぎょしゃ座 M38
  同上

18:56 ぎょしゃ座 M36
  同上

19:58 ペルセウス座 M76
  Gain=400、2sec×10をコンポジット、ヒストグラム調整

20:03 カシオペヤ座 M103
  Gain=350、2sec×12をコンポジット、ヒストグラム調整

20:04 カシオペヤ座 NGC663
  Gain=350、2sec×10をコンポジット、ヒストグラム調整

20:05 カシオペヤ座 NGC559 (C-8)
  Gain=350、2sec×12をコンポジット、ヒストグラム調整

20:07 カシオペヤ座 NGC457 (C-13)
  Gain=350、2sec×12をコンポジット、ヒストグラム調整

20:11 きりん座 IC342 (C-5)
  Gain=350、4sec×10をコンポジット、ヒストグラム調整

20:17 ふたご座 NGC2392 (C-39)
  Capture Area=1920x1200(Binning=4なので、実サイズは480x300)
  Gain=350、1sec×10をコンポジット、ヒストグラム調整

20:22 かに座 M68
  Gain=350、4sec×10をコンポジット、ヒストグラム調整

20:30 月 6分割撮影したものを ICE でパノラマ合成
  Binning=4 のままで、Gain=150、1/4000sec×100枚ほどをコンポジット

ここでモノクロ設定にしたのを忘れて、そのままモノクロで撮影 (^^;

20:52 とも座 M47
  Gain=350、2sec×10をコンポジット、ヒストグラム調整

20:52 とも座 M46 と NGC2438(惑星状星雲)
  Gain=350、2sec×14をコンポジット、ヒストグラム調整
  せっかく惑星状星雲があるのに、カラーでなくて残念!

20:56 いっかくじゅう座 M50

20:59 うみへび座 M48

月明りで空が明るくなってきたので、21時で終了。

それにしても、18:45~21時までの3時間ちょいの間に18天体プラス月も観望&撮影できました。自動導入だと、まさに、次々と天体が見られます!!

【星空案内Tips】コペルニクスは水星を見なかったのか?2020年03月11日

【星空案内Tips】コペルニクスは水星を見なかったのか?

星空案内の際に役立つかな、と思う内容について、思いつくまましたためています。
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2月10日頃に日没後の西空に、宵の明星の金星と、水星も今年最初の勇姿を見せていました。水星は、3月下旬~4月初めは明け方の東空引くくに、そして5月下旬~6月初めには再び西空引くくに見ることができます。


水星を見るたび思い出すのは、多くの天文書で語られるコペルニクスの話。いろんなバージョンがありますが、その最たるものは、コペルニクスが死に際に「水星を見られなかったのが残念だ」と語ったというもの。天文書の中には、この話のように水星はなかなか見られない惑星だとするものも。しかし実際には、見られる時期を確認すれば、とてもよく見ることができます。

惑星の運動を研究し、プトレマイオスから続く伝統的な「地球中心説」の考えに反して、世界の中心には太陽があり、地球も惑星と同じく太陽の周りを回るという「太陽中心説」を唱えた、カトリックの司祭であり天文学者であったコペルニクス。コペルニクスは実際に天体観測も行ったことが記録されているのですが、本当に水星を見たことが無かったのでしょうか?

この疑問を、星空案内人制度で縁を頂いた方のSNSに書いたところ、これについて調べて下さいました。これを記録して残したいと思います。

まず、コペルニクスはヨーロッパのどこで天体観測を行ったのでしょうか。

wikipediaでは、コペルニクスはポーランド王領のヴァルミア司教だったといいます。そこは緯度が53°。北海道の稚内が北緯45°なので、日本で水星がよく見える時期でも、ヴァルミアではあまり高度が上がらず、見えにくかったようです。

またコペルニクスは『回転論』の中で、古代の天文学者(プトレマイオス)が観測を行ったナイル川河畔(アレクサンドリア)に比べて、自分の住むヴィスワ川流域は格段に湿気が多く、晴天に恵まれないこと、そして水星の高度が低いことから「水星は稀にしか見られない」と書いていたとのことです。

おそらくことため、コペルニクスは他の観測者のデータを使って水星の軌道を検討しました。このことも、コペルニクスが水星を見なかったという話の理由にされたようです。

では、先の伝説はどのように生まれたのでしょうか。

インターネットが本当に便利な時代になったもので、"Copernicus" と"Mercury" を検索ワードにしてググると、スミソニアン天体物理観測所のデータベースからまさに「Copernicus and Mercury」というタイトルで "The Observatory" という研究誌の1892年版に載ったレポートを見ることができます。

冒頭で「天文学書ではよく、コペルニクスが死の床で・・・水星を一度も見られなかったことを悔やんでいる光景が扱われます。」と始まります。このことから19世紀末にはすでに、この伝説が広く語られていたことが分ります。このレポートによれば、コペルニクスが『回転論』で書いた上の箇所が、フランスの天文学者ピエール・ガッサンディが書いたコペルニクスの最初の伝記(1654年刊)に引用されたことが始まりだとします。これを後世の人が

 「水星はまれにしか見られない」→「水星を見たことが無かった」

などと誤読・曲解され、フランスの天文学者フランソワ・アラゴの著作(1864年)で「その惑星(=水星)を見られぬまま死を迎えることになったコペルニクスの嘆き」と書かれたように伝説となり、その後に至っているようです。

天文学に限らず科学史では、様々な興味深い逸話が語られます。例えばガリレオの「それでも地球は回ってる」と語ったあという、明らかに「それは無いよなぁ」と思えるものは良いのですが、その人自身や実際の現象に変な誤解を与えるものについては、注意して扱いたいものです。

玄関先で星見2020年03月12日

今日は夕方からほぼ快晴に恵まれたものの、寒気が入っているので寒く。
満月からまだ2日後なので、出かけずに、玄関前に30cmドブを出して星見。

CMOSカメラで金星やM42を撮ってみた。町中の、20時頃の、しかも多少 風のある気流の中、星もしっかり揺れてくれます(+_+;

金星 (ASI290MC、Gain=50、1/4000sec)

M42 (ASI290MC、Gain=300、1/2sec)

M42 (ASI183MC、Gain=350、1secと2secをコンポジット)

惑星状星雲や銀河を導入して肉眼で見てみたものの、やっぱ「見える」程度だなぁ。