月の大小の覚え方2017年10月21日

今夜は、星のソムリエ講座@八戸の『星空案内の実際』。いろいろあったけど、なんとか今年度も講座が終了しました。

先々週(10月7日)は、『星空の文化に親しむ』で私が講師を務めました。今回はレポートは配布テキスト任せにして、いろんな話で暴走しました(^o^)

暦の話の時に、驚きの事実が!
今どきの若い人は、今の暦の ”小の月” の覚え方、「にしむくサムライ」を知らないんですね!
年のいった受講生さんたちは、ウンウンとうなずいていますが、若い人は「何、ソレ?」状態。
今どきの人にとって、暦日はカレンダーやスマホで見る ”デジタル” なんだな、と思いました。

仕事中にそれを思い出して職場の人に知っているか聞いたところ、誰も知りません!!
それをFacebookに書いたところ、FB友人も知りませんでした!!!
あぁ、コレを知っているかどうかは、世代・年代ではなく、環境だったのですね。

  伊勢暦に見入る女性 (国立国会図書館、日本の暦から)

人類が最初に作ったであろう、月の満ち欠けの周期に依った ”太陰暦” は、月の満ち欠けがおよそ29.5日周期なので、29日の月と30日の月を交互に置くことで、暦日と月齢をほぼ一致させることができました。

それがやがて、暦日を季節変化にもおおよそ合せるために、何年かに一度ひと月を増やす ”太陰太陽暦” が作られ、それが日本でも長きに渡って使われました。

日本人は実にことば遊びが好きな民族で、江戸時代に暦が印刷されて庶民の手に入るようになると、毎年の大小の月を覚える方法を生み出しました。それが言葉遊びであったり、一年の暦の大小を絵で表した ”大小暦” であったり。

  慶應3年(1867)の大小暦 (国立国会図書館、日本の暦から)

上の、うさぎの餅つきの大小暦では、臼に大の月、うさぎに小の月が隠れ文字になっています。
  大の月:  2 , 4 , 8 , 10 , 11 , 12
  小の月:  1 , 3 , 5 , 6 , 7 , 9



  文久2年(1862)の大小暦 (国立国会図書館、日本の暦から)

これなどはとても分かりやすい。着物に各月の大小がそのまま描かれています。
8月が ”大” と ”小” が重なっていることから、閏八月があることが分ります。

  大の月:  1 , 3 , 4 , 6 , 8 , 9 , 11
  小の月:  2 , 5 , 7 , 閏8 , 10 ,12


国会図書館のサイトには、他にも様々な大小暦が置かれています。初級編、中級編、上級編とあって、とても楽しいです。

大小暦の他にも、覚え唄も作られました。

「大庭を しろくはく霜 師走哉」(元禄10年)
  「大庭」は大と 二、「しろくはく霜」は 四、六、八、九、霜月、そして師走
  つまり、この年の大の月は、二、 四、六、八、九、十一、十二

「大小と じゅんにかぞえて ぼんおどり」(寛政13年)
  この年はたまたま大の月と小の月が交互になった。
  大の月は、正月、三、五、七、
  そして「ぼんおどり」でお盆の七月が「おどり」繰り返して、つまり閏七月があるとして、
  その後は八、十、十二月が大の月。

「大好は 雑煮 草餅 柏餅 盆のぼた餅 亥の子 寒餅」(宝暦13年)
  この年は大の月が 正月、三、五、七、十、十二 だった。
  そこで「大好き」(大月)を餅づくしで覚えさせようとした。
  雑煮(正月)、草餅(三月)、柏餅(五月)、
  盆のぼた餅(七月)、亥の子餅(十月)、寒餅(十二月)

このように江戸っ子は何でもかんでも遊びにしてしまう、遊びの達人だったのですね。

そんな楽しい伝統の流れを組む、現代の 小の月 の覚え方
  「にしむくサムライ」
  二、四、六、九、十一(士)
も、後世に残し伝えたいものです。

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